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海岸侵食、AIと衛星画像で把握 観測効率化へ来年度から―国交省

2023年11月11日13時32分

侵食対策が取られている静岡県の富士海岸(国土交通省提供)

侵食対策が取られている静岡県の富士海岸(国土交通省提供)

 国土交通省は2024年度、人工衛星からの画像を人工知能(AI)で解析して海岸の侵食を把握する観測システムを導入する。砂浜には波を弱め、堤防や護岸を超えるのを防ぐ防災上の機能があるが、近年侵食が進んでいる。海岸を管理する都道府県にシステムを活用してもらい、観測の効率化と迅速な対策につなげる狙い。

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 24年度に複数の自治体で試験的に導入し、26年度に全国展開を目指す。24年度概算要求に関連経費を盛り込んでおり、都道府県から希望を聞き取っている。
 システムは国交省が構築を進めている。宇宙航空研究開発機構(JAXA)や民間企業が持つ衛星画像を読み込ませると、AIが自動的に海岸線を抽出。地図上に線状で表すなどして可視化し、過去の画像と比較して、時間に伴う変化を把握する。将来的にはドローンで撮影した写真を活用することも検討している。
 現在の海岸線の観測は、都道府県が人の手で行っているが、日本の海岸線の総延長は約3万5000キロと長く、予算の制約から十分に行えていないという。システムは測量よりは正確さが劣るものの、広い範囲の海岸線の状況を高い頻度で把握でき、効率化も図れる。
 全国各地で海岸の侵食が進む中、同省は保全が必要との認識だ。システム導入により、侵食の兆候を察知した都道府県が、海岸に砂を投入する「養浜」や、沖合で波を低減させる「離岸堤」の整備といった対策を迅速に取れるようにする。

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