ピンクダイヤちりばめた「金の卵」 24日から公開―東京・上野の国立科博
2023年10月24日09時53分
東京・上野の国立科学博物館は24日から11月5日まで、希少な天然ピンクダイヤモンドをちりばめた金の卵形宝飾品「アーガイル・ライブラリー・エッグ」を展示する。キリスト教のイースター(復活祭)で飾られる卵がモチーフで、正面の扉の中にミニチュアの書庫がある。ピンクダイヤはオーストラリアのアーガイル鉱山から産出した。
13億年前の超大陸分裂で上昇 豪鉱山ピンクダイヤ、地下深くから
卵形部分の直径は27.5センチで、台を含めた高さは70センチ。重さ23キロのうち18金が15キロを占め、ダイヤは計435カラット(うちピンクダイヤ348カラット)もある。1990年に作られ、東京など世界の主要都市で展示された後、小型モーターメーカー「マブチモーター」創業者の故馬渕健一氏が所有し、遺族が同博物館に寄贈した。
ピンクダイヤは、地下深くでダイヤが形成された際か、地上に上昇する途中で炭素分子の結晶構造にひずみが生じてピンク色に見えると考えられているが、具体的な形成過程は解明されていない。同博物館の宮脇律郎・地学研究部長は「非破壊の分析装置がある研究機関との共同研究で解明したい」と話した。
宝飾品としても貴重で、「専門家からは、米スミソニアン国立自然史博物館にあるブルーダイヤ『ホープダイヤ』に匹敵すると聞いた。金銭的価値は不明だが、15億円は下らないのではないか」という。