玉井、復帰戦で銅メダル ビート板練習から再出発―アジア大会・飛び込み
2023年10月04日22時43分
腰痛からの復帰戦を、玉井は万感の思いで迎えた。男子高飛び込み決勝。本場中国が目の色を変えて臨む場で堂々と戦って3位。「自分の中での最大限は発揮できた」と胸を張った。
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試合出場は、決勝を途中棄権した7月の世界選手権(福岡)以来。患部を考慮し、この日は2回目の「後ろ宙返り3回半」で難度を下げた。
「一番痛かった前屈姿勢」を伴う当初のえび型を抱え型に。決まると100点を超える得点源を封印し、予選は3位通過。決勝も100点超えの演技を見せた中国勢に食らい付き、最低目標に掲げた表彰台に立った。
福岡で痛めた後は2、3週間、針治療やマッサージ、休息を取った。世界レベルまで一足飛びに到達した17歳には、このブランクでさえ「2、3年飛び込みから離れた」感覚とも。プール練習は、ビート板を使って泳ぐことから始めたという。
「飛び込みには、けがはつきもの。諦めず、ちょっとずつ計算して試合に間に合わせるもの」とは馬淵コーチ。来夏に控えるパリ五輪でも、万全で臨めるとは限らない。苦難を乗り越えた証しを形にした経験を、若きエースは「期待を力に変えてこそ一流のアスリート。こういうときこそ結果を出せる選手になりたい」。また一つたくましくなった。 (時事)