• X
  • facebook
  • hatena-bookmark
  • コメント

少数強硬派、議会を翻弄 与野党の議席伯仲で力―米下院

2023年10月04日20時32分

米共和党のゲーツ下院議員(写真左)と解任されたマッカーシー前議長(AFP時事)

米共和党のゲーツ下院議員(写真左)と解任されたマッカーシー前議長(AFP時事)

 【ワシントン時事】米下院共和党の深刻な内部分裂が3日、議長の解任という形で顕在化した。解任を実現させたのは、わずか8人の強硬右派。民主、共和の議席が拮抗(きっこう)する中、キャスチングボートを握った少数の議員が影響力を増し、議会を混沌(こんとん)の渦に引きずり込んだ。

米議会混乱、予算めど立たず 政府閉鎖の懸念再び―下院議長解任

 「彼らは保守政治家ではない」。米議会史上初めて解任の憂き目に遭ったマッカーシー前議長は3日、強硬派への怒りをあらわにした。解任動議を提出したゲーツ議員を名指しし「注目を集めたいだけだ」と非難した。
 下院の混乱は、昨年の中間選挙で共和党が222議席を得て、213議席の民主党に僅差で勝利したことから始まった(現在は各党1議席減)。一握りの共和党議員が造反すれば法案は通らない。発言力を得た強硬派は今年1月の開会以降、事あるごとに非現実的な要求を突き付け、マッカーシー氏を振り回してきた。
 党執行部の頭を悩ませるのは、強硬派の動機が必ずしも歳出の大幅削減といった政策面に限らないことだ。政治専門紙ポリティコは、たびたびマッカーシー氏にかみつくゲーツ氏について「フロリダ州知事選出馬を狙い、目立とうとしている」との見方を紹介した。
 共和党は後任の議長選びを急ぐが、主流派からの人選はマッカーシー氏と同じ運命をたどる可能性がある。来年11月の大統領選と同時に行われる下院選まで、少数が多数を翻弄(ほんろう)する構図は続く。

関連記事

こんな記事も

国際用語

国際



ページの先頭へ
時事通信の商品・サービス ラインナップ