畠田、母に感謝 パリ切符の原動力―世界体操
2023年10月03日14時17分
【アントワープ(ベルギー)時事】体操の世界選手権で2日、日本女子が予選で合計158.497点を挙げて8位で団体総合決勝に進み、9チームに与えられる来年のパリ五輪出場枠を獲得した。ミスを互いにカバーして目標を果たした。
芦川うらら(日体大)が平均台で、初代表の岸里奈(戸田市スポーツセンター)がゆかで目立った活躍をする中、全4種目を通してチームを支えたのが畠田千愛(セントラルスポーツ)だった。
ゆか以外で1番手を任され、「私で流れが決まる」。不安と重圧を感じながら安定した演技を見せた。平均台で多少のふらつきはあったが大きなミスはなく、個人総合26位で決勝に滑り込んだ。
才能はありながら、五輪や世界選手権に縁がなかった。前回の種目別平均台金メダリストで今年の全日本個人総合を制した渡部葉月(筑波大)がけがで欠場したため、補欠からの繰り上がりでチャンスが転がり込んだ。
姉の瞳さんは2年前の東京五輪に出場した。父の好章さんも五輪メダリストで、母は指導者の体操一家。「私が代表に入らなくて取り残され、お母さんが一番悲しいんじゃないかと思っていた」。今回は瞳さんがコーチとして同行し、両親も会場で見守っている。ようやく晴れ姿を見せることができ、「お母さんに感謝を伝えたい」と目を潤ませた。