スクラム進化した日本 ディテール追求、選手は成熟―ラグビーW杯
2023年10月03日09時41分
【トゥールーズ(フランス)時事】ラグビーのワールドカップ(W杯)フランス大会に出場している日本代表のスクラムが進化を見せている。1次リーグD組のイングランド戦では昨年11月のテストマッチで圧倒された強力FWと互角に渡り合い、サモア戦でも大型FWに対抗した。8強入りを懸けてアルゼンチンと対戦する8日の最終戦でも力を発揮できるか。
日本、タックル練習で汗 8強争うアルゼンチン戦へ―ラグビーW杯
スクラム担当の長谷川アシスタントコーチは「日本は100対100(の力勝負)になると、どうしてもきつくなる。相手の重さ、うまさ、強さをどうやって消すか」とポイントを挙げる。相手を研究し、特長をつぶすための8人の組み方など「ディテール(細部)」の調整に時間を費やす。
選手もコーチも詳細は明かさないが、プレー中の各選手が瞬時にスクラムの注意点を共有できるように、短いキーワードを多く設定し、声を掛け合う工夫も施している。
FW第1列で今大会出場した6人のうち、4大会連続出場のフッカー堀江(埼玉)ら過去にW杯経験がある選手は5人。「分析したことが違っても、試合中に選手が対策をするようになった。偏差値が上がっている」と長谷川コーチ。選手の成熟も進化の大きな要因だろう。
長谷川コーチが挙げる各チームの特長は、イングランドが「うまい」、サモアは「重い」。そして、アルゼンチンは姿勢を崩されても押す「気持ちと熱さ」。スクラムで相手の気持ちをへし折れば、8強への道は開ける。