地道な歩みで節目到達 平野佳、若手に負けじと―プロ野球・オリックス
2023年10月02日21時33分
「優勝だけを目指し、体がぼろぼろになるまでオリックスのために頑張りたい」。2021年2月、平野佳は古巣への復帰会見でこう宣言した。言葉通りにチームのリーグ3連覇に貢献し、さらには日米通算250セーブを達成。地道に歩みを進めた右腕が偉大な数字にたどり着いた。
投手としての転機が訪れたのはプロ5年目の10年。当時の岡田彰布監督(現阪神監督)が適性を見抜き、先発から救援に転向させたことだった。その決断が現在までの活躍につながり、「リリーフの僕をつくってくれたのは岡田監督。出会っていなければ今の僕はない」と感謝する。
これまで何度も修羅場をくぐり抜けてきたが、「2軍の試合でも緊張する。緊張しなくなったら終わりだと思うし、緊張感があってこそ」。キャリアを重ねた今も変わらぬ気持ちで腕を振る。
一方で日に日に変化していくのが体。以前よりも気を使うようになったといい、「自分の体をいかに知るか。きょうはこういう感じだからこういう練習をしてみようとか、そういうことの積み重ね」。自身の肉体と向き合い、トレーニングやケアに時間を費やす。
来年3月には不惑を迎える。チームには山崎颯や宇田川ら伸び盛りの若手も多い。「僕より球が速い投手もいるし、能力も高い。でも僕も負けないように一生懸命やっていく」。オリックスを常勝軍団に―。願いを実現させるためにも、まだまだ若手の良き手本、そして壁であり続ける。