生活保護減額取り消し 全国12件目―広島地裁
2023年10月02日16時55分
国が2013~15年に生活保護基準額を引き下げたのは違法だとして、広島県内の受給者らが減額処分取り消しなどを求めた訴訟の判決が2日、広島地裁であった。大浜寿美裁判長は「厚生労働相の判断は裁量権を逸脱し違法だ」として処分を取り消した。
同種訴訟は全国29地裁で起こされ、判決は22件目。処分取り消しは12件目となった。
大浜裁判長は物価下落などを理由とした保護基準の見直しについて、「統計などの客観的な数値との合理的関連性や専門的知見との整合性を欠く」と指摘。厚労相の判断過程には過誤があったとした。
判決を受け、原告弁護団は「原告らの置かれた厳しい生活実態を真摯(しんし)に受け止めた」とする声明を発表した。