松田、プレースキック好調 新ルーティンが奏功―ラグビーW杯
2023年10月02日09時52分
【トゥールーズ(フランス)時事】ラグビーのワールドカップ(W杯)フランス大会で、日本のキッカーを務めるSO松田(埼玉)が好調を維持している。ここまでの1次リーグD組3試合全てに先発出場し、プレースキックは16本中15本を成功させた。「自分のキックがいい感じで蹴れている」と表情は明るい。
昨季のリーグワンでプレースキック成功率85.5%をマークし、ベストキッカーを受賞した名手だが、W杯前は不調だった。大会前最後の実戦となったイタリア戦では、途中出場で2本蹴り、いずれも失敗。「自分のキックができていなかった。ポイントとなるところを見直した」
蹴る際に右肩が下がる癖があり、修正するためにキック前のルーティンを変えた。悪い時は肘が伸びてしまうそうで、予防でボールの前に立つと両肘を90度ほど曲げる。「小さく前にならえ」のようなポーズで、チームメートのレメキ(東葛)からは「Tレックス(ティラノサウルス)」と言われているという。「変えることに不安はなく、そっちの方が絶対にいいと思った。自信を持ってやった」と松田。大会直前の勇気ある決断が実を結んだ。
8日には8強入りを懸けてアルゼンチンと対戦する。「一本一本、本当に丁寧に自分のキックをやることが数字にもつながるし、それが一番勝利に貢献できること」。大一番でも自信を持って右足を振り抜く。