度肝抜くドリブル突破　２戦連発の１９歳俵積田―Ｊリーグ・Ｆ東京

　ホームに集まった約３万５００人の度肝を抜いた。途中出場したＦ東京のルーキー俵積田は、自陣からドリブルで独走。「うれしいってことが一番にくる。全部狙い通りにいった」。勝負を決める３点目を奪い、力強く両拳を握った。
　目を引いたのは推進力と落ち着きだ。後半３３分。こぼれ球を拾うと、左サイドを激走。２人に囲まれ、後ろ向きになる窮地でも冷静だった。かかとを使って相手の股下を抜き、体を反転させながら振りほどき、右足で遠いサイドに突き刺した。「瞬時に判断できた」。鮮やかな一連の流れをさらりと振り返った。
　決勝点を挙げた前節の鳥栖戦に続く２戦連発。１０月１日はクラブ創立２５周年の記念日でもあり、下部組織出身の１９歳が花を添えた。「自分のプレーがそのまま出た。このプレーを自信につなげていけたらなと思う」。大化けの可能性を秘める世代に、楽しみなアタッカーが頭角を現した。