インボイス制度、今後の展望は 1日導入、識者に聞く(2)
2023年10月01日15時43分
◇フリーランス目線で情報発信を・平田麻莉氏
―制度導入でフリーランスへの影響は。
消費税という仕組み自体が分かりづらい上、インボイスの導入で、どうしたらいいのか分からないという不安と混乱がある。政府は、税務リテラシーが高くないフリーランスや小規模事業者の目線に合わせた情報発信を続けてほしい。制度に登録していないことを理由に、免税事業者との契約を、課税事業者が一方的に打ち切ることは法令違反になるという啓発も足りていない。
―協会が目指すことは。
課税事業者に転換したフリーランスが、適正な報酬を得られるよう新たな負担分の価格転嫁を進めることが大事だ。インボイス登録で増える税負担分として、少なくとも2%以上の値上げをしていける機運を醸成したい。もちろん免税事業者のままでも、手取りが減らないよう取引を継続してもらえることを働き掛ける。
―インボイス導入後の対応は。
まずは価格転嫁が進んでいるのか、免税事業者が不利益を被っていないかを協会内で調査して、動向を見極めたい。免税事業者が課税事業者になった場合、導入から3年間は消費税の納税額が売上税額の2割で済む負担軽減措置もあるが、3年たっても価格転嫁が十分に進んでいなければ、措置の延長を政府に検討してもらう必要があるかもしれない。