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ムイズ氏「独立の危機」訴え 与党分裂も追い風―モルディブ大統領選

2023年10月01日20時31分

 【ニューデリー時事】モルディブで9月30日に行われた大統領選の決選投票で、中国との関係を重視するムイズ氏が勝利した。選挙戦では隣の大国インドとの軍事協力やインド軍の駐留を「国の独立を脅かす」と批判。有権者の一定の支持を得たとみられる他、選挙前に与党が分裂したことも有利につながったようだ。

モルディブ大統領選で親中派ムイズ氏勝利 親インド路線見直しへ―シーレーン要衝、地域情勢に影響

 ロイター通信によると、ムイズ氏を擁立した野党連合は、モルディブに駐留するインド軍の数機の偵察機と人員約75人の撤退を公約に掲げている。今回ムイズ氏支援に回ったヤミーン前大統領は中国寄りで知られ、反インド感情をあおるキャンペーンを展開していた。
 中印両国はインド洋の地域戦略上重要な拠点となるモルディブの取り込みを図ってきた。2013~18年に政権を握ったヤミーン氏は中国主導の経済圏構想「一帯一路」に協力。中国の援助を受けインフラ整備を推進してきたが、今回敗れたソーリフ現大統領がインド重視の外交方針に転換した。ソーリフ政権下で国内におけるインドの存在感は相対的に高まっていた。
 AFP通信によれば、ムイズ氏は昨年、中国共産党当局者とのオンライン会合で、政権を奪取した際はモルディブと中国の「強い絆」がさらに深まると語った。インドは「裏庭」と位置付けるインド洋で中国の影響力が増すことは受け入れ難く、巻き返しを図ることになりそうだ。

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