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脱炭素電力、倍増目指す 原発も活用―フィンランド環境相インタビュー

2023年10月01日07時10分

インタビューに応じるフィンランドのミッカネン環境・気候相=22日、ヘルシンキ

インタビューに応じるフィンランドのミッカネン環境・気候相=22日、ヘルシンキ

 【ヘルシンキ時事】フィンランドは昨年7月、温室効果ガスの排出量を2035年までに実質ゼロにすることを、法的に義務化した。世界でも野心的な目標だ。同国のミッカネン環境・気候相はこのほど時事通信などのインタビューに応じ、「脱炭素と同時に、関連産業を急成長させる」と意気込みを語った。その上で、原発も含めたクリーンエネルギーによる発電量を「倍増させることが重要だ」との考えを示した。

新たな原子炉が本格稼働 欧州最大級、40年以上ぶり―フィンランド

 フィンランドでは今春、新たな原発が稼働。発電時に温室ガスを排出しない電力が、消費電力の約9割を占めるようになった。ミッカネン氏は「さらに膨大な量の洋上・陸上風力、原子力を導入したい」と述べ、企業投資の拡大に期待を示した。
 温室ガス排出量を30年までに1990年比で60%削減するため、2年以内に火力発電所を2カ所閉鎖する方針。また、原発や産業用ヒートポンプから出る廃熱などをエネルギー源として再利用する取り組みも進める。新たに稼働予定の米マイクロソフトのデータセンターからの廃熱を、一部地域の家庭や企業などで使用する暖房に活用。これにより、対象地域では年間最大40万トンの温室ガスを削減でき、「排出量は02年比で約10%にまで減らせる」(ミッカネン氏)という。
 原発利用を巡っては、国民の7割近くが賛同する。ミッカネン氏は、風力などは天候に左右されやすいため、「安定した一定のベースロード電源が必要」と言及。石炭など火力発電削減に、原発は「不可欠だ」と述べた。
 11月末から開催される国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)では、「世界全体の化石燃料を削減させるため、検証可能な目標に合意することが重要だ」と期待を込めた。

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