略奪経た美術品は返還へ メトロポリタン美術館―NY
2023年09月29日16時12分
【ニューヨークAFP時事】米ニューヨークのメトロポリタン美術館のホレイン館長は28日、略奪などを経て取得した美術品について、元の国々への返還を進める意向を表明した。館長は5月、同館が所蔵する約150万点の一部に関し、来歴を調査する委員会の設置を発表していた。
オーストリアの美術史家で2018年に就任したホレイン氏は、記者団に「違法に入ってきた物をコレクションとして所蔵することは望まない」と指摘。「われわれが適切な所有者ではないケースもいくつかある」と認めた。
メトロポリタン美術館を含む主要な美術館・博物館は近年、紛争国などから持ち去られた収蔵品の返還に同意してきた。ニューヨーク州検察マンハッタン地区トップのブラッグ検事が22年に就任して以降、総額1億9000万ドル(約280億円)相当とされる1000点以上が、カンボジアや中国、インドなど19カ国に返還された。