相撲協会、残業代など一部未払い 主事ら処分、パワハラも
2023年09月28日20時33分
日本相撲協会は28日の理事会で、事務職員の時間外労働手当(残業代)などを法令通りに支払わず、職員へのパワハラも重ねたとして、事務方責任者の宮田哲次主事と経理などを担当する室長1人に懲戒処分を科すことを決めた。
協会発表と複数の協会員への取材によると、残業代などの不適切な算定は、2017年から行われていた。協会は時効前の過去3年分について8月から精算を進めており、総額は退職者を含む67人に対し1億円超に上る。労働時間の管理は6月に是正した。
ただ、協会からの説明や経緯などが納得できないとして、12人が精算を保留しているという。
また、宮田主事は一部職員の給与を一方的に減額し、職員採用に当たって妊娠・出産計画の説明を求めた。室長は一部職員の共有サーバーへのアクセス権を制限するなどのパワハラを働いた。ともに職員らへの暴言も確認されている。
処分は宮田主事が出勤停止1カ月、室長は1階級降格で、室長からは退職願が出されている。
協会内には事務職員の人事、労務管理など権限が主事に集中していたことが一因だとして、組織上の再発防止策を求める声もある。