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トランプ氏、「対バイデン」本腰 党討論会よそに激戦州入り―米大統領選

2023年09月29日07時07分

27日、米中西部ミシガン州にある自動車部品メーカーで演説するトランプ前大統領(AFP時事)

27日、米中西部ミシガン州にある自動車部品メーカーで演説するトランプ前大統領(AFP時事)

 【ワシントン時事】来年の米大統領選での返り咲きを目指すトランプ前大統領が、共和党の候補者指名争いをよそに、早くも本選に照準を合わせ始めている。27日には党候補によるテレビ討論会を欠席し、激戦区の一つである中西部ミシガン州で、支持基盤の白人労働者層を前に演説。見据えるのは、民主党の指名獲得が見込まれるバイデン大統領への雪辱だ。

「米民主主義が危機に」 過激主義の伸長に警鐘―バイデン氏

 他の共和党候補が西部カリフォルニア州で激論を交わす中、トランプ氏は全米自動車労組(UAW)による大規模ストライキの震源地、ミシガン州デトロイト近郊を訪れた。「バイデンの電気自動車(EV)生産義務化は、米国の自動車産業に死をもたらす」。語気を強め、前日にスト現場で組合員を激励したバイデン氏への敵意をむき出しにした。
 「ラストベルト(さび付いた工業地帯)」に位置するミシガンは、2016年にトランプ氏、20年にバイデン氏が大統領選を制した接戦州。労組を支持基盤とするバイデン氏だが、経済運営への不満や80歳という年齢への不安もあり、足元が盤石とは言い切れない。勝敗を左右する労働者票の争奪戦は、いやが応でも熱を帯びる。
 各種世論調査の平均によれば、トランプ氏は共和党内の支持率で、次点のデサンティス・フロリダ州知事に40ポイント以上の大差をつける独走。候補者乱立で「非トランプ」票の一本化は進んでいない。政治専門紙ポリティコは、トランプ氏以外の候補者擁立を目指した大口献金者の一部が「無駄金だ」と諦め、出資を断念したと報じている。
 指名獲得へ自信を深めるトランプ氏は、ここにきて「固定客」の保守層以外へのアピールにも着手。今月、メディア出演や演説会の場で、保守層の反対が根強い人工妊娠中絶手術について、条件付きで容認する姿勢を示した。米有権者の多数派は中絶の権利を擁護しているため、穏健保守や無党派層への支持拡大を狙った動きと言える。
 討論会では参加候補から「ステージに上がるべきだ」(デサンティス氏)といった声も上がったが、トランプ氏が応じる気配はない。「2番手争い」を繰り広げるライバルを尻目に、今後も独自の選挙戦を続けるとみられる。

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