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円安進行、一時149円台半ば 債券売り、長期金利0.755%に上昇―株700円近く下落・東京市場

2023年09月28日18時27分

円相場などを示すモニター=28日午後、東京都中央区

円相場などを示すモニター=28日午後、東京都中央区

  • 株価と長期金利を示すモニター=28日午後、東京都中央区
  • 【図解】対ドル円相場と長期金利の推移

 28日の東京市場は、米長期金利上昇の余波で円安、債券安、株安のトリプル安となった。
 米国では、原油価格の高騰を受け、米連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締めが長期化するとの見方が台頭。27日に米長期金利が4.6%台と、2007年以来16年ぶりの水準に上昇した。
 これを受けて28日の東京外国為替市場は、日米金利差拡大を意識した円売り・ドル買いが継続。円相場は一時1ドル=149円台半ばまで下落した。午後5時現在は、149円31~31銭と前日比29銭の円安・ドル高。
 昨年秋の円安局面で政府・日銀が3度目の円買い・ドル売り介入に踏み切って以来、11カ月ぶりの安値水準で推移。28日午前に記者団の取材に応じた鈴木俊一財務相は「過度な変動があれば、あらゆる手段を排除せず適切な対応を取る」とけん制した。市場では「介入警戒感がくすぶっている」(シンクタンク)状態で、心理的節目である150円に近づくと円を買い戻す動きも出ている。
 債券市場では、米金利上昇などを受けて長期金利の指標となる新発10年物国債(第371回債)の流通利回りが0.755%に上昇(債券価格は下落)した。前日比で0.025%上昇し、13年9月以来、10年ぶりの高水準。米金融引き締めが長期化するとの見方に加え、円安進行を受けて日銀が早期に政策修正に踏み切るとの観測がくすぶっていることも債券売りにつながった。
 一方、株式市場は日経平均株価の下げ幅が一時前日比697円に広がった。日米の長期金利上昇に対する警戒感や上半期末を控えた投資家の持ち高調整により、マイナス圏での荒い値動きとなった。終値は499円38銭安の3万1872円52銭と反落。
 終値での3万2000円割れは8月25日以来、約1カ月ぶりとなる。市場関係者は「米欧株に比べ日本株は相対的に堅調だった。利益確定売りや配当権利取得後の処分売りが出たのではないか」(銀行系証券)とみていた。

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