大規模緩和、柔軟化望ましい 物価目標判断、来年初の見方も―日銀7月会合
2023年09月27日11時09分
日銀は27日、長期金利の一定程度の上昇を容認することを決めた7月27、28日に開いた金融政策決定会合の議事要旨を公表した。会合では、何人かの政策委員が「長期金利の上限を厳格に守ろうとすると、債券市場の機能低下や(外国為替など)他の市場の変動幅拡大などの問題が生じる恐れがある」と副作用を指摘。現在の大規模な金融緩和政策の柔軟化が望ましいとの意見が相次いだ。
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委員の一人は2%の物価目標の持続的な実現について「はっきりと視界に捉えられる状況になっており、来年1~3月ごろには見極められる可能性がある」との見解を示した。
何人かの委員は、大規模緩和策に関し「今回の柔軟化は出口への一歩でなく、粘り強く緩和を進める姿勢に変わりないことを明確に説明する必要がある」と言及。また、「2%(の物価目標実現)が見通せる状況に至っておらず、マイナス金利政策の修正にはなお大きな距離がある」との意見もあった。
同会合では、長期金利の変動許容幅の上限を0.5%から1%に事実上引き上げることを賛成多数で決めた。中村豊明委員は「企業の稼ぐ力の高まりを確認した上で行うべきだ」として反対した。