「ほう助」に着目、初の立件 賭け金追い、取り締まり強化へ―オンラインカジノ・警視庁
2023年09月27日15時56分
海外ではオンラインカジノを合法とする国もあり、「日本の警察が現地の協力を得て胴元を捜査するのは難しい」(専門家)とされる。警視庁は今回、胴元のカジノではなく、利用客が投じた賭け金の流れに着目。賭博をほう助したとして、初めて決済代行業者の立件に踏み切った。
強い依存性、借金多額に ゲーム感覚、「合法」誤解も―オンラインカジノ
警察庁によると、オンラインカジノに関わる賭博事件の立件は2021年に16件、昨年は10件あった。ただ、多くは国内に店舗などの拠点があるケースとみられる。
一方、海外で運営されるオンラインカジノには日本の法律が適用できないため、捜査は困難だ。甲南大の園田寿名誉教授(刑法)は「賭博が適法な国で運営されていれば、現地の警察に捜査を依頼して証拠を押収することは難しい」と指摘する。
こうした状況の中、利用客の賭け金決済を仲介する業者は、野放しの状態が続いてきた。
警視庁幹部は「胴元の捜査は難しくても、客のほう助という逆転の発想で業者は摘発できる」と指摘。利用客のギャンブル依存や借金が社会問題化する中、今後もオンラインカジノへの取り締まりを強化する方針だ。