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「火が3人包んだ」「室内真っ白に」 放火目撃の2人証人出廷―京アニ公判

2023年09月27日20時31分

京都地裁=京都市中京区

京都地裁=京都市中京区

 京都アニメーション第1スタジオが放火され36人が死亡、32人が重軽傷を負った事件で、殺人罪などに問われた青葉真司被告(45)の裁判員裁判第10回公判が27日、京都地裁であった。1階で放火の瞬間を目撃した2人が証人出廷し、「オレンジ色の火が3人を包んだ」「室内が真っ白になるくらい光った」などと証言した。

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 入社2年目だった女性がまず証言し、検察側の質問に、1階の中央フロアに兼尾結実さん=当時(22)、横田圭佑さん=同(34)、藤田貴久さん=同(27)=らと共にいたと話した。「自動ドアが開いてドンドンドンという足音がして視線を上げると、らせん階段の横に、赤いシャツにジーパン姿の知らない男の人が立っていた」とし、自身との距離は「約3メートルだった」と述べた。
 男はバケツに入った「燃料系の臭いのする液体」をまき散らしたという。女性は「大声で『死ね』と言っていた。被害者と藤田さん、横田さんの方に黒い筒状の物を持った右手を伸ばすと火が付いた。火は床から天井に立ち上り、オレンジ色の火が3人を包んでいくのが見えた」などと証言。自身も上半身にかけられたが、「ここにいたら死んでしまう」と思い、反対側の女子トイレに他の2人と一緒に駆け込んだという。
 弁護側からは男の表情を問われ、「無表情に近かった」と語った。
 続いて入社10年目だった男性が3、4メートル離れた場所から目撃した様子を証言。放火の様子について「室内が真っ白になるくらいまぶしく光り、ガソリンの臭いと熱風が届いた」と話した。2、3階にいる人に避難を促すため別の階段を駆け上がったが、「1階スタッフへの申し訳なさと、なんとか逃げてほしいとの思いだった」と振り返った。
 次回10月2日は京アニ八田英明社長らの証人尋問が行われる。

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