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あえて距離置くキング 内村コーチ、カギは「5種目目」―世界体操の見どころ(2)

2023年09月27日08時12分

体操男子日本代表の試技会で、選手を見守る内村航平コーチ=8月30日、東京都北区

体操男子日本代表の試技会で、選手を見守る内村航平コーチ=8月30日、東京都北区

  • 体操男子日本代表の試技会で、選手を見守る内村航平コーチ(左)=8月30日、東京都北区

 体操男子個人総合で五輪2連覇の実績を誇る内村航平さん(34)が、初めてコーチとして世界選手権(30日開幕、ベルギー・アントワープ)に臨む。昨年引退した後も、現役選手が憧れの対象に挙げることも多い「キング」の指導法は独特だった。

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 8月下旬に東京都内で公開された日本男子の代表合宿では、選手たちの演技を少し離れた位置から見守っていた。ほとんど声も掛けない。それには理由があった。
 「毎日近くで見ていると、意外と違いに気付けないこともある。だから、めちゃめちゃ外から見ている」。わずかな感覚の乱れが大きなミスにつながる競技。本番直前など大事な場面でも客観的な視点で助言できるよう、「あえて中に入らないようにしている」という。
 とはいえ練習以外では、着地や0.1点を取りこぼさない姿勢の大切さ、練習から緊張感を高める方法など、百戦錬磨の経験から学んだことを惜しみなく伝えている。
 中でもユニークなのが「5種目目が大事」という教えだ。団体総合と個人総合は6種目で争う。終わりが見えてくると集中が切れ始め、現役時代は5種目目が常に「全然しっくりきていなかった」。だからこそ、選手には「そこをどう乗り越えるかが、チームが勝つために大事」と語り掛ける。
 内村さんが現役の頃、コーチとして二人三脚で歩んできた現日本男子の佐藤寛朗ヘッドコーチは、「とても心強い」と頼りにしている。

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