高橋元理事「一切の証言拒否」 大広元役員の公判に出廷―五輪汚職・東京地裁
2023年09月27日12時14分
東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件で、大会組織委員会元理事の高橋治之被告(79)=受託収賄罪で起訴=側への贈賄罪に問われた広告大手「大広」元執行役員、谷口義一被告(58)の公判が27日、東京地裁(野村賢裁判長)であった。高橋被告が証人として出廷したが、「一切の証言を拒否することにしたので、全てお答えできません」と述べた。
【写真】保釈され、東京拘置所を出る高橋治之被告=2022年12月
刑事訴訟法では、証人自身の刑事訴追や有罪判決につながる恐れのある証言は拒否できると定められている。検察官が最初に現在の職業について尋ねると、高橋被告は回答せず、「これから裁判がある。非常に微妙なところなので」と理由を説明。その後の質問にも答えなかった。
裁判長が「有罪につながる恐れがあるということか」と尋ねると、「ともかく、大変デリケートなので」と明言を避けようとする場面もあった。
高橋被告はグレーのスーツ姿で、首に水色のコルセットを着けて出廷。昨年12月の保釈時は車いすに座っていたが、この日は歩いて法廷に入り、証言台の椅子に座って背もたれに寄り掛かりながら話した。