提出命令に国側即時抗告　特捜部取り調べ映像―大阪地裁

　土地取引を巡る横領事件で無罪が確定した不動産会社「プレサンスコーポレーション」（大阪市）の山岸忍前社長（６０）が、国に７億７０００万円の損害賠償を求めた訴訟で、国側は２６日、取り調べ映像の提出を命じた大阪地裁の決定を不服として、大阪高裁に即時抗告した。

特捜部取り調べ映像提出命令　不動産会社社長の国賠訴訟―大阪地裁

　地裁は１９日、山岸氏の部下に対する大阪地検特捜部による取り調べを録音録画した５日分の記録データを提出するよう、国側に命じていた。
　山岸氏は２０１９年、学校法人明浄学院の土地売却にかかる手付金２１億円を横領したとして逮捕、起訴されたが、その後無罪が確定した。同氏の代理人弁護士は国側の即時抗告について、「違法、不当な取り調べを隠蔽（いんぺい）する目的が明らかだ」などとするコメントを出した。