銀次、猛攻呼び込む決勝打　楽天、ついに３位浮上―プロ野球

　３日前に今季初昇格したベテランが、ここぞの一打で楽天を３位浮上に導いた。１―１の九回１死満塁で、打席には代打銀次。打球が左翼手の前へ落ちると、拳を握って喜びを爆発させた。
　初球はストライクを見送り、「正直に言って、めちゃくちゃいいボールだったので、きついかなと思った」。しかし、ここで気持ちが切り替わった。打撃の形を意識することをやめ、「９割は気持ちで」振りにいった。低めのスプリットにうまく合わせるバットコントロールを見せ、「きょう、このために練習してきた」と胸を張った。
　開幕から２軍暮らしが続いたが、気持ちを落とすことなく出番を待ち、チームがクライマックスシリーズ（ＣＳ）を争う終盤に１軍へ。八回まで日本ハムの伊藤に抑えられていたが、３５歳の一打が口火となり、一挙８得点で試合を決めた。
　最近思うような投球ができていなかった田中将も７回１失点と好投。シーズン序盤は６位に沈んだチームが、じりじりと上位に迫ってついにＣＳ圏内に。石井監督は「うちは勝つだけ。しっかりやるだけ」。自らに言い聞かせるように、気を引き締めていた。