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重責担い、勝負にこだわり 面目保った貴景勝―大相撲秋場所

2023年09月24日20時59分

優勝決定戦で熱海富士(下)をはたき込みで下した貴景勝=24日、東京・両国国技館

優勝決定戦で熱海富士(下)をはたき込みで下した貴景勝=24日、東京・両国国技館

  • 日本相撲協会の八角理事長(中央手前)から賜杯を受け取る貴景勝=24日、東京・両国国技館
  • 優勝パレードに出発する貴景勝(右)=24日、東京・両国国技館
  • 優勝し、笑顔で祝杯を挙げる貴景勝(右)。左は常盤山親方=24日午後、東京都千代田区

 あっけない幕切れでも、何とか看板力士の面目は保った。優勝決定戦に臨んだ貴景勝は「とにかく負けるものかと」。立ち合いで左へ変わり、頭を下げて突っ込んだ熱海富士をあっさりはたく。勝負は一瞬で決まった。

熱海富士を正攻法で止めた「あの時」の朝乃山〔大相撲秋場所〕

 本割では、激しい突っ張り合いからのはず押しを生かし、埼玉栄高の先輩に当たる大栄翔に背中を向けさせた。決定戦は、13日目に持ち前の馬力で快勝した新鋭が相手。本来の力強い相撲が期待された中、「番付的に負けられない」。土俵で腹を決め、勝負にこだわった。
 7月の名古屋場所は両膝のけがで全休しただけに、今場所に懸ける思いは強かった。「もう一度、夢の横綱に向かう」。7度目の大関かど番で黒星発進し、序盤は白星を拾うのに苦労。行く末が不安視されたが、終盤は持ち直して賜杯争いに絡んできた。
 一人横綱の照ノ富士が不在。角界の屋台骨を支える存在としての重責を果たそうと必死だった。「駄目なら駄目で、与えられた状況で頑張るしかない」。4年以上もの間、大関を務めてきた自負がある。重圧を精神力の強さではね返した。
 4敗でぶつかった決定戦の白星の内容は、本人が目標とする横綱昇進に向け、ファンにはどこか空虚な思いも去来したことだろう。ただ、番付の秩序の揺らぎも感じられる中、自身の役割を全うしようとする気概は示した。快進撃で館内を沸かせた熱海富士を引き合いに「自分ももう一度、頑張っていかなくては」。初心に立ち返り、強さを追い求める。

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