技術と伝統を融合　中国らしさが随所に―アジア大会

　選手入場の最後に中国選手団が姿を現すと、ハスの花をモチーフとしたメイン会場の観衆は総立ちとなり、大きな拍手と歓声に包まれた。ちょうど秋分に当たる２３日。この季節の風物詩であるモクセイの花の香りが、ほのかに会場に漂っていた。
　今大会で中国がアピールしようとしているデジタル技術は、開会式の演出でも随所に見られた。習近平国家主席が開幕を高らかに宣言すると、映像の中では実物そっくりの「デジタル花火」が盛大に打ち上げられた。
　鮮やかに彩られたショーでも観衆を魅了。５０００年前から杭州にあったとされる良渚文化や、かつて南宋の都だった杭州の様子を再現。開催地が歩んできた歴史の深さを見せつけた。
　最新技術と伝統の融合。演目には幅だけではなく奥行きを持たせ、中国の姿を立体的に浮かび上がらせた開会式となった。参加選手数も含め、これまでで「最大規模」といえるアジアの祭典が、ついに幕を開けた。（時事）