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立て直した熱海富士 21歳、初賜杯に王手―大相撲秋場所

2023年09月23日21時06分

阿炎(左)を寄り切った熱海富士=23日、東京・両国国技館

阿炎(左)を寄り切った熱海富士=23日、東京・両国国技館

  • 熱海富士(左)は阿炎を寄り切りで破り、単独トップ=23日、東京・両国国技館

 館内から大きな拍手が湧き起こった。その中心にいたのは熱海富士。阿炎との一番を制し、3日ぶりの白星。「勝ててよかった」と笑顔を見せる。大関貴景勝が敗れ、再び単独トップに。返り入幕の21歳が、静岡県出身としては初めての優勝に王手をかけた。
 優勝経験がある相手が立ち合いで動いた。「少し頭にあった」。体勢を崩しかけたが、土俵際で踏みとどまって向き直る。左で上手を引いて組み、得意の形になって寄り切った。必死だったのだろう。鼻血が出ていた。
 後続に2差をつけた後、関脇大栄翔、貴景勝に連敗。大きな壁を前に消極的な相撲になった。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は「前に出ろ。自分から攻めろ」と指導。新鋭は優勝争いの重圧の中、見事に立て直した。
 初土俵から18場所目。初賜杯を抱けば、年6場所制となった1958年以降に初土俵を踏んだ力士(付け出しは除く)では、貴花田(後の横綱貴乃花)と朝青龍の24場所を抜いて最速となる。「やっと、あと一番。長かった」。元大関の朝乃山との一番が組まれた千秋楽。気力を振り絞り、真っ向勝負で挑む。

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