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「鎮兵」木簡公開に120人超 遺跡保存求める声も―福島

2023年09月23日15時37分

「鎮兵」の文字が確認された木簡が一般公開され、見学する来場者=23日午前、福島市

「鎮兵」の文字が確認された木簡が一般公開され、見学する来場者=23日午前、福島市

 福島市は23日、奈良末期~平安初期の集落跡、西久保遺跡で出土した「鎮兵(ちんぺい)」に関する木簡を現地で一般公開した。鎮兵は蝦夷(えみし)の反乱を鎮定するため関東周辺から東北地方に派遣された兵を指す。鎮兵の文字が完全な形で出土したのは全国初で、一目見ようと市内外から120人以上の人が訪れた。

木簡に「鎮兵」、国内初出土 遺跡の発掘調査で―福島市

 市によると、木簡は長さ29.6センチ、幅2.5センチ、厚さ1.1センチ。18文字が確認され、うち12文字が判明した。「出羽国牒下野国司 鎮兵○○○之状○○○」(○は判読不能)と記され、8世紀末~9世紀初頭に出羽国(山形県と秋田県)から下野国(栃木県)の国司に宛てた書簡といい、残る6文字の解析も行う。
 説明会では「なぜ福島で出土したのか」との質問が真っ先に出て、担当者が「運ばれる途中で落としたか、置いていったのか、木簡が再利用されたのか。いくつか説はあるが分からない」と答えていた。調査終了後はバイパスに整備されるため遺跡の保存を求める声も上がり、市内の60代女性は「実物の木簡を見ることができたが、なくなるのは残念だ」と話した。

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