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スト背景にEVの普及 労働力余剰で雇用不安―米自動車労組

2023年09月23日14時28分

22日、米ミシガン州のスト現場を訪れた全米自動車労組(UAW)のフェイン会長(中央)(AFP時事)

22日、米ミシガン州のスト現場を訪れた全米自動車労組(UAW)のフェイン会長(中央)(AFP時事)

 【ニューヨーク時事】全米自動車労組(UAW)がゼネラル・モーターズ(GM)など米自動車大手3社の工場で史上初の一斉ストライキを始めてから1週間。ストの背景には賃金への不満に加え、電気自動車(EV)の普及もある。EVはエンジン車よりも大幅に少ない労働者で生産でき、雇用不安を招いているためだ。

米自動車労組、スト拡大 GM、ステランティスの38拠点

 UAWのフェイン会長は8月末の声明で「クリーンな自動車産業への移行を支持する」とEVの普及を容認する立場を表明した。一方で「労働者が居場所を確保できるような公正な移行でなければならない」と、雇用維持の必要性も強調した。
 2023年上半期のGMの米国販売に占めるEVの割合は2.8%、フォード・モーターは2.6%にすぎない。クライスラーを傘下ブランドに持つステランティスはまだ販売していない。だが3社とも30年までに5割に引き上げる方針だ。
 フォードのファーリー最高経営責任者(CEO)は昨年11月、「EVを生産するのに必要な労働力は(ガソリン車より)4割少ない」と述べた。部品の自社生産を拡大し雇用維持に努めると強調したものの、従業員の危機感は高まるばかりだ。
 報道によると、UAWは労使交渉で、経営側が工場を閉鎖した場合、組合員に社会奉仕活動に携わるための報酬を支払う制度の整備を求めている。工場閉鎖や解雇を防ぐための「脅し」とみられており、経営側は警戒。交渉は依然難航しており、事態打開のめどは立っていない。

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