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原告「今でも手足震える」 水俣病近畿訴訟、27日判決―大阪地裁

2023年09月24日07時11分

判決前に取材に応じる水俣病近畿訴訟原告の倉田和代さん=2日、大阪市北区

判決前に取材に応じる水俣病近畿訴訟原告の倉田和代さん=2日、大阪市北区

 水俣病特別措置法の救済対象外となった近畿地方などの住民ら約130人が国などに救済を求めた集団訴訟の判決が27日、大阪地裁である。原告の一人で大阪市に住む倉田和代さん(80)は「今でも手足が震える。痛みで涙が出てくることもある」と被害を訴える。

水俣病特別措置法の用語解説

 倉田さんは1942年、水俣湾(熊本県水俣市)の対岸に位置する天草諸島で出生。幼少期はイワシやタチウオなど、八代海で取れる魚介類を毎日のように食べて育った。
 19歳で結婚を機に大阪へ移った後、数年すると手にしびれが出始め、トタン屋根の金具を付ける内職作業が手の震えで困難になった。医師の診察を受けても「疲れているんじゃないか」などと言われるだけ。「水俣病とは気付かなかった」と振り返る。
 水俣病を意識したのは15年ほど前の夏。帰郷した際、同級生に症状を話すと「水俣病ではないか」と指摘された。検診を受け、特措法認定を申請したが、2014年に「水俣湾周辺海域の魚介類を入手していたと確認できない」との通知が届いた。
 当時住んでいた天草市は、一部を除いて特措法の対象地域外。しかし、倉田さんは「同じ海で、区切っている線など見えないのに、なぜ認定から外れてしまうのかな」と首をかしげた。

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