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除草剤被害、立件にハードル 警察、伐採に焦点―ビッグモーター街路樹

2023年09月24日08時44分

【図解】全国の街路樹被害届受理件数

【図解】全国の街路樹被害届受理件数

  • ビッグモーター本社で家宅捜索を終えた捜査員ら=9月15日午後、東京都港区

 中古車販売大手ビッグモーター(BM)の店舗前で街路樹が枯れるなどした問題で、16都県警察が23日までに38件の被害届を受理し、捜査を進めている。うち36件が除草剤によるとみられる被害(山口の1件は伐採含む)だが、枯死との因果関係を立証するハードルは高く、捜査の焦点は伐採被害になるとみられる。

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 問題発覚以降、国や自治体が土壌調査を実施。除草剤成分が検出された店舗については順次、警察に被害届を提出しており、今後も受理件数は増える可能性がある。
 しかし、ある捜査関係者は「土壌から除草剤成分が出たとしても、BM側が散布した除草剤によって枯れたという立証は難しい」と指摘する。天候による影響や第三者による散布が無かったと証明しなければならず時間を要する。36件のうち1件は愛知県警が2020年に受理した被害届だが、立件できずに時効を迎えている。
 除草剤を散布した行為者の特定も容易ではない。ほとんどの店舗が散布を認めているが、「以前使用したことがある」「誰がやったか分からない」などと曖昧な回答をする店舗もある。
 一方、東京と神奈川で2件確認されている伐採被害については、実行行為者を特定できれば因果関係は明白だ。15日の警視庁と神奈川県警によるBM本社への家宅捜索も、多摩店と川崎店前の街路樹を伐採した容疑だった。
 BMから川崎市への説明では、本社の「環境整備推進委員」が川崎店店長に伐採を指示し、22年10月に店長の指示を受けた店員が伐採したとされる。今後の捜査は、伐採を巡る本社と店舗の指示系統や双方の認識、具体的な指示内容の解明が焦点になるとみられる。

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