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もう一つのWBC 「一歩踏み出すきっかけに」―身体障害者野球

2023年09月23日05時40分

世界身体障害者野球・米国戦の4回、塁を回る日本代表の松元(左)=10日、バンテリンドーム

世界身体障害者野球・米国戦の4回、塁を回る日本代表の松元(左)=10日、バンテリンドーム

  • 世界身体障害者野球・台湾戦の3回、打者代走として出場する日本代表の松元(左端)=10日、バンテリンドーム

 「もう一つのワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」とも呼ばれる世界身体障害者野球大会が9、10日にバンテリンドームナゴヤで開催され、病気や事故で手や足を失うなどした選手らが熱戦を繰り広げた。「日本!日本!」。期間中は約9000人が球場を訪れ、応援席は多くのファンでにぎわった。
 大会は日本の提案で2006年に始まり、4年に1度行われている。第5回の今回は新型コロナウイルスの影響で1年遅れて実施され、日本や米国、韓国など5カ国・地域が参加。各チームが総当たり戦に臨んだ。26年にアジアパラ大会が愛知県で開かれることを受け、パラスポーツをさらに盛り上げたいという運営側の思いから、大会初の名古屋市での開催となった。
 身体障害者にルールを合わせるという考えの下、盗塁、振り逃げなどは禁止されている。
 大会初日。日本と韓国の対戦では、足に障害がある日本の打者の横に「打者代走」がスタンバイ。鋭く大きな打球が左へ飛ぶとともに全力疾走した。二塁、三塁を蹴って生還しランニング本塁打に。「セーフ!」と球審の声が球場に響くと、打者代走と打者が笑顔でハイタッチを交わした。「ハンディを仲間とフォローし合えることが障害者野球の魅力だ」と大会スタッフは語る。
 日本は4戦全勝で、2大会連続4度目の世界一の栄冠を手にした。松元剛主将(49)は「本当にうれしい。大勢の方の応援のおかげで優勝することができた」と涙。続けて「私たちのプレーを見て、誰かが一歩を踏み出せるきっかけになったらうれしい」と笑顔で語った。

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