沖縄の遺骨返還、二審も認めず 京大研究者が持ち出し―大阪高裁
2023年09月22日19時09分
京都帝国大(現京都大)の研究者が昭和初期に沖縄県の墓から研究目的で持ち去った遺骨について、同県出身者らが返還を求めた訴訟の控訴審判決が22日、大阪高裁であった。大島真一裁判長(石原稚也裁判長代読)は一審京都地裁判決を支持し、原告の訴えを棄却した。
大島裁判長は、遺骨は「祖先の墓や位牌(いはい)などを受け継ぐ者に帰属する」と指摘。原告は墓を訪れて参拝や祭祀(さいし)をしているものの、「遺骨の承継者と認めることはできない」と判断した。
その上で、「訴訟による解決には限界がある。原告と沖縄県などで話し合い、適切な解決への道を探ることが望まれる」と付言した。
遺骨は1929年に沖縄県今帰仁村の墓から持ち去られた。現在は京大の博物館に保管され、一般には公開されていない。