曲折経て、ようやく幕開け 本気の中国に歓迎ムード―アジア大会
2023年09月22日18時24分
【杭州時事】中国が威信を懸けて準備をしてきた杭州アジア大会が、ようやく幕を開ける。新型コロナウイルス感染拡大の影響で1年延期されたことで、前回までとは大会の意味合いに違いもある。
来年のパリ五輪開幕を10カ月後に控える時期。五輪予選などと重なることから、日本では一線級を派遣できない競技もあった。それでも、日本オリンピック委員会の山下泰裕会長は「昨年から日本のスポーツ界はさまざまな大会で好成績を残している。この勢いを受け継ぎ、自分の限界を超えてやってほしい」。選手の奮闘に期待を込める。
中国は本気度がうかがえ、多くの競技にトップ選手を送り出す。大会運営ではテクノロジーを前面に押し出し、開幕に向けて交通網の整備も進めてきた。杭州の住民からは「招致が決まってから街がどんどん発展していった」との声が聞かれ、大会を歓迎するムードに満ちている。
新型コロナへの不安が和らぎ、東京五輪などで選手派遣を取りやめていた北朝鮮も加わった。アジア・オリンピック評議会(OCA)から条件付きで参加を認められていたロシアと同盟国ベラルーシは、五輪予選を兼ねる競技に及ぼす影響も懸念されていたが、結局は見送られて落着。紆余(うよ)曲折を経て、アジアが一つになる秋が来た。