女子大生嘱託殺人に懲役6年 「反社会的で悪質」―札幌地裁
2023年09月22日18時21分
札幌市のアパートで昨年10月、女子大学生に頼まれて殺害したとして、嘱託殺人などの罪に問われた無職小野勇被告(54)の判決が22日、札幌地裁であり、井下田英樹裁判長は「反社会的で悪質」として懲役6年(求刑懲役9年)を言い渡した。
公判では被告の精神状態が争点となったが、井下田裁判長は、被告が警察への発覚を免れるため、女子大生にツイッター(現X)のアカウント削除を指示するなど、違法性を十分認識した行動を取っていたと指摘。心神耗弱状態だったとする弁護側の主張を退けた。
その上で、被告が殺人経験があるなどとうそを交えて説明したことが女子大生の意思を一層強固にさせたと非難し、「自殺願望を持つ人を殺害することに抵抗を感じない特異な価値観に基づいており、厳しい非難に値する。嘱託殺人の中でも重い部類に位置付けられる」とした。
判決によると、小野被告は昨年10月4~5日、札幌市東区の自宅で、SNSを通じて知り合った大学4年の女性=当時(22)=から頼まれ、首を両腕で絞めて殺害するなどした。
判決後、女子大生の遺族は「懲役6年は率直に言って短い。被告は事件を忘れることなく、罪を償ってほしい」とするコメントを出した。