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選手に寄り添う中嶋流 コンディション管理も徹底―プロ野球・オリックス、21世紀初のパV3(上)

2023年09月22日08時49分

パ・リーグ3連覇を達成し、胴上げされるオリックスの中嶋監督(上)=20日、京セラドーム

パ・リーグ3連覇を達成し、胴上げされるオリックスの中嶋監督(上)=20日、京セラドーム

  • リーグ3連覇を決めた20日のロッテ戦で力投するオリックスの山崎颯=京セラドーム大阪

 プロ野球のパ・リーグはオリックスが3連覇を遂げた。パの3連覇は21世紀で初めて。快挙を支えたのは中嶋監督の選手への向き合い方や起用法だった。

調子重視の選手起用 大胆采配が好循環―プロ野球・オリックス、21世紀初のパV3(下)

 ◇貫いた選手ファースト+
 中嶋監督は常に選手ファーストを考えてきた。「監督としてのやりがいはあまり感じない。チームが勝ったら、選手がうまくなったらうれしいが、別に俺がやったわけじゃない」。選手が活躍すれば誰よりもベンチで喜ぶ。その姿勢は連覇した昨季も、そして今季も変わることはなかった。
 胴上げ投手となった山崎颯は春先、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)使用球からプロ野球(NPB)のボールへの移行に悩んでいた。ある日の試合前練習で中嶋監督、厚沢投手コーチと映像を確認。滑りやすいとされるWBC球に対応するため「押し込むようなフォームに変えていて、それが少しNPB球に合わなかった」(山崎颯)。監督自らブルペンでボールを受け、リリースポイントを修正。チームトップの登板数で救援陣を支えた右腕の復調につなげた。
 さらに象徴的だったのは全パの監督を務めたオールスター戦。監督選抜でオリックスの山本や宮城、楽天の松井裕らWBC代表組を選出しなかった。ファンの気持ちは十分に理解した上で、他球団の監督とも相談して下した苦渋の決断だった。
 「早くから仕上げてきた選手に少しでも休養してもらった方がいい。彼らもロボットじゃない」と意図を明かしつつ、「何を言われようと僕が責任を取る」。結果的に山本はプラスワン投票で選ばれたが、「選手のことを第一に考えている監督。ありがたい」と配慮に感謝していた。
 コンディションを見極め、疲労がたまってきた選手はリフレッシュさせる。50試合登板を一つの目安とした救援陣は3連投が一度もなかった。巧みなチーム管理が3連覇を引き寄せた。

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