情熱尽きぬAYUMI 際立つ独創ムーブ―世界ブレイキン・女王でパリへ(下)
2023年09月22日08時43分
細部まで工夫を凝らした独創性あふれる動きで観衆を引き込む。日本のブレイキンを長くけん引する福島あゆみ(ダンサー名AYUMI)のスタイルは、個性派ダンサーの中でも異彩を放つ。
持ち味は多彩で細やかなフットワーク。日常生活から着想を得た「お掃除スタイル」を究める。「せかせかしていると周りから言われる。その中で掃除の動作が自分に合っていた」と明かす。
日本代表コーチでもある姉の梨絵さん(NARUMI)の影響でブレイキンを始め、男女混合で行われていた時代から20年以上、第一線に立ち続ける。10~20代の活躍が目立つ中では異色だが、バトルで年齢を意識することはない。「相手が何歳とか考えない。好きだから続けているだけ」
年齢を重ねてけがが増え、3年前には首を痛めて踊れない時期が約4カ月間もあった。体を酷使する競技だけに、今まで以上にケアなどに気を配る。6月には40歳になり、「自分の体と向き合う時間が増えた。もう若くないですから」と笑う。
幼稚園などでの英語講師を今春に休職。ダンスに集中できる環境を整えた。7月のアジア選手権決勝で湯浅亜実(AMI)を破り、「最後まで踊り切れたことがうれしい。これからも目の前の課題に一つずつ取り組んでいきたい」。ライバルとの頂上対決を制した2021年大会の再現を狙う。