自信取り戻したい本多 杭州で好タイムを―競泳・アジアの頂へ(4)完
2023年09月22日08時38分
競泳男子の本多灯(イトマン東京)は試練に直面している。「今年が五輪じゃなくてよかった」と言うほど。ここまでは思うような結果を残すことができていない。
7月の世界選手権福岡大会が象徴的だった。自身最初の種目となった400メートル個人メドレー予選で14位に終わり、昨年は果たせた決勝進出を逃した。
「勢いでいけた部分があった」という前回とは違い、重圧を感じて本来の泳ぎを披露できず、「不安になったり、怖くなったりした」。その後に本職の200メートルバタフライで銅メダルをもぎ取ったのは、せめてもの意地だった。
200メートルバタフライでは、2年前の東京五輪は大会初出場で銀メダル。昨年は世界選手権で3位表彰台に立ち、12月には瀬戸大也(CHARIS&Co.)が持つ日本記録に0秒17差と迫る1分52秒70の自己最高記録をマークした。着実に地力をつけており、「金メダルを取りたい、世界一になりたいという大きな思いはずっとぶれずにきた」との自負もある。
「自分に勝手にプレッシャーをかけてしまっていた。楽しんでいける方が僕らしい。五輪のようにワクワクした気持ちで試合に臨めるようにしたい」と本多。開幕まで1年を切ったパリ五輪を見据え、杭州アジア大会で自信を取り戻すタイムを残したいところだ。