父とウイニングラン 藤波、隙なく頂点―世界レスリング
2023年09月22日07時22分
ウイニングランは少し照れくさそうだった。女子53キロ級を制した19歳の藤波は、セコンドを務める父の俊一コーチと国旗を掲げてマットを一周。「優勝したら2人でしたいと思っていたので、それができてうれしい」
元世界女王のカラジンスカヤはかつて、五輪金メダリストの登坂絵莉や志土地真優を苦しめたこともある。そんな実力者に決勝で付け入る隙を与えなかった。無失点で10点差をつけて試合終了。「気持ちを切らさずに戦えた」と満足そうに振り返った。
パリ五輪出場権が懸かった今大会は浮き足立つこともあった。優勝を決めた後、「あまり楽しむことはできず、プレッシャーを感じて足が動きづらかった。そういう経験は初めて」と明かした。
五輪までは1年を切った。「もっともっと強くならないといけない。一回り強くなった藤波朱理を見てもらえるように進化したい」。中学時代から続く公式戦の連勝は127に。本人は意に介していないが、この数字を積み重ねた先に五輪の頂点も見えてくる。(ベオグラード時事)