アジア大会の経験を五輪へ 橋本、32歳で初出場―柔道・アジアの頂へ(3)
2023年09月21日17時18分
32歳のベテランは、アジア大会を来年のパリ五輪への重要な調整の場だと捉えている。柔道男子73キロ級の橋本壮市(パーク24)は「しっかり勝ち抜いたら、自分にとってすごく勢いがつく」と意気込む。
柔道の国際大会は数多く出てきたが、橋本にとってアジア大会は初めての経験。出場の意向を聞いた日本男子の鈴木桂治監督は「いろいろな競技が集まって、いろいろなルールや縛りがある中で、自分がどれだけできるか。そういう状況で戦いたいようだ」と話す。五輪本番を見据えた選手村などでの調整の仕方など、貴重な経験になるとみている。
73キロ級には2016年リオデジャネイロ五輪、21年東京五輪を連覇した大野将平さんが長く君臨してきた。同学年の橋本は東京五輪出場を逃した時は「一番苦しかった。引退しようと思った」とショックを隠せなかったが、「自分は心の強さは人一倍あると思う」。大野さんが一線から退く中、国内外の大会で泥臭く戦い続け、パリ五輪への切符を手にした。
昨年の世界選手権決勝で敗れたツェンドチル・ツォグトバータル(モンゴル)もエントリーするなど厳しい戦いが予想されるアジア大会。橋本は試合運びや組み手など「柔道の幅を広げ、いろんなことに挑戦したい」と貪欲に戦い抜くつもりだ。