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経済先行きに楽観じわり パウエル議長「軟着陸可能」―米FRB

2023年09月21日20時34分

記者会見するパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長=20日、ワシントン

記者会見するパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長=20日、ワシントン

 【ワシントン時事】米連邦準備制度理事会(FRB)は20日、連邦公開市場委員会(FOMC)で2会合ぶりの政策金利据え置きを決める一方、「年内あと1回」の追加利上げを行う想定を含め、高い金利水準が長引くシナリオを示した。同時に公表した経済見通しでは、成長率予想を大幅に引き上げるなど、経済の先行きに楽観的な見方をじわりと強めている様子をうかがわせた。

米FRB、金利据え置き 利上げ「年内あと1回」維持―インフレ再燃リスク警戒

 「基本シナリオではないが、可能だ」。パウエルFRB議長はFOMC後の記者会見で、成長維持とインフレ抑制を両立する「ソフトランディング(軟着陸)」の実現を予想しているかを問われ、慎重ながらも自信をのぞかせた。
 見通しでは、2024年を通じて5%超の高金利環境を見込んだにもかかわらず、米成長率は23年10~12月期が前年同期比2.1%増、24年は1.5%増へとそれぞれ上方修正。失業率予想も改善される一方、インフレ率は緩やかながらも目標の2%に向けて低下する筋書きを描き、「インフレ率押し下げに成長や雇用の代償が基本的に伴わないことを示す」(米金融大手)内容となった。
 もっとも、パウエル氏は「軟着陸(の可否)はFRBの制御できない要素によって決まる可能性がある」と指摘した。最近の原油価格上昇や、米議会の予算案審議難航による政府閉鎖の懸念、賃上げを巡る自動車労組ストの行方など「不透明感が大きい」(パウエル氏)要因に取り囲まれており、景気下振れやインフレ上振れが誘発されかねない状況にある。
 加えて、昨年3月以降に進めた急ピッチの利上げにより、FRBの政策金利は既に年5.25~5.50%と、約22年ぶりの高水準に達し、経済への影響はこれから本格化するとの見方も根強い。それだけに、パウエル氏は会見で、今後の政策運営に関して「慎重に進める」との発言を繰り返した。

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