13億年前の超大陸分裂で上昇 豪鉱山ピンクダイヤ、地下深くから
2023年09月22日07時05分
オーストラリア北西部のアーガイル鉱山で希少な天然ピンクダイヤモンドを採掘できたのは、約13億年前に超大陸ヌーナ(ヌナ)が分裂し、地下深くのダイヤがマグマとともに地表に上昇したためだと、豪カーティン大や大手鉱業会社リオティントなどの研究チームが21日までに発表した。
同鉱山は1979年に発見され、天然ピンクダイヤの9割超を産出したが、2020年に閉山した。大昔の大陸が分裂した地域に注目して探せば、次のピンクダイヤ鉱山を発見できるかもしれないという。論文は英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに掲載された。
ダイヤは地下深くにあるマントルの高温高圧で炭素分子の結晶構造が変わって生じ、天然ピンクダイヤはさらに結晶がゆがんで色が付くと考えられている。人工的に着色されたピンクダイヤよりはるかに高価で取引される。
大陸はマントルの対流によって離合集散を繰り返している。約13億年前までは巨大な超大陸ヌーナがあったが、分裂によってオーストラリア大陸がローレンシア(北米など)や北部中国などの大陸から分離した。アーガイル鉱山は豪大陸の端に位置し、地下深くにあったピンクダイヤがマグマとともに上昇しやすくなったと考えられるという。