国立がん研究センター元医長を逮捕 現金170万円受領、収賄容疑―医療機器使用の見返り・警視庁
2023年09月21日18時10分
国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)の医療機器使用で便宜を図った見返りに賄賂を受け取ったとして、警視庁捜査2課は21日、収賄容疑で、同院元医長の医師橋本裕輔容疑者(47)=米国在住=を逮捕した。贈賄容疑で医療機器メーカー「ゼオンメディカル」(東京)の元社長柳田昇容疑者(67)=川崎市中原区=も逮捕した。
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2人は数年にわたり取引関係にあったとみられ、同課は癒着の実態解明を急ぐ。
逮捕容疑は橋本容疑者が同院肝胆膵内科医長だった2021年5月ごろ、胆管が詰まったときの治療などに使う医療機器「ステント」について、他社よりもゼオン社の製品を多く使う見返りに、現金約170万円を同社から自身の口座に振り込ませ、受領した疑い。
同課は2人の認否を明らかにしていない。
同課によると、橋本容疑者はゼオン社のステントの使用感や有効性などの調査に協力する対価として、1本当たり1万円を同社から受け取る契約を結んでいたが、調査の実態はなかったとみられる。
橋本容疑者は米フロリダ大准教授で、当時は同院の肝胆膵内科医長として自身も執刀し、20年度にゼオン社製のステントを約150本使用した。