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温暖化が記録的高温に影響 線状降水帯増加も―気象研など

2023年09月21日13時30分

 日本上空の7月下旬から8月上旬の記録的高温は、地球温暖化の影響がなければ起こり得ず、影響があっても60年に1度の非常にまれな現象だったと、気象庁気象研究所や東京大、京都大の研究チームが21日までに発表した。コンピューターでシミュレーションした成果で、沖縄や奄美、九州の近くを通った台風6号やフィリピン付近の活発な対流活動など、偶発的な要因が重なって生じたと考えられるという。

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 このシミュレーションは文部科学省の温暖化対策事業で作られた気候予測データベースを応用し、極端な気象現象が起きてから素早く温暖化の影響を見積もる手法を開発して行われた。日本で6月から7月上旬に発生した線状降水帯の総数についても、温暖化により九州を中心として約1.5倍に増加していたと評価した。
 気象研は海洋研究開発機構や京都大、北海道大などとともに、同データベースを使った将来予測シミュレーションの結果も発表した。世界平均気温が今世紀初めより1度上昇すると、日本の線状降水帯の平均的な年間発生回数は1.3倍に、3度上昇すると1.6倍に増加すると予測。50年に1度程度の頻度で発生する大雨も、3度上昇すると全国的に増えるという。
 気象研の川瀬宏明主任研究官は「結果のデータは公開するので自治体の洪水対策などに役立ててほしい。今後は猛暑や台風に伴う暴風、大雪の将来変化の分析にも取り組む」と話している。

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