赤字決算解消の補正「審理せず」 違法行為追認を拒否―沖縄県議会
2023年09月21日08時01分
沖縄県のミスで2022年度決算見込みが地方自治法に違反した「赤字状態」となっている問題で、執行部が現状を是正するために提出する補正予算案が県議会で審議されない見通しであることが20日、関係者への取材で分かった。県の違法行為を議会が追認することになるとして「審理しない」との動議を提出し、全会一致で議決する方向で与野党会派が合意した。
9月定例県議会は26日開会する。玉城デニー知事は、専決処分で予算執行するとみられる。
県では4~5月の出納整理期間終了後に、特別会計で計約120万円の歳入がミスにより過大に見積もられ、決算が赤字状態となっていることが発覚。出納閉鎖後の歳出入の不一致は違法で、県によると、都道府県では岩手の1953年度決算以来という。
沖縄県は23年度予算から赤字を補充する「繰り上げ充用」の手続きを進めているが、補正予算案は違法な支出行為を前提としているため、県議会各会派は「執行部を追認するとの誤解を招きかねず、行政の監視を担う議会の役割とは全く相いれない」との見解で一致した。