経験伝える役割を 元大リーガーの田沢―アジア大会・野球
2023年09月19日06時07分
【杭州時事】37歳で立つ国際舞台を楽しみにしている。米大リーグのレッドソックスで活躍した田沢純一投手(ENEOS)が、社会人選手で構成する野球日本代表に選ばれ、杭州アジア大会(23日開幕)に出場する。「選んでもらったことに感謝」と実感を込める。
日の丸を背負うのは、新日本石油ENEOS(現ENEOS)に所属していた2007年のワールドカップ(W杯)以来。「当時は何も分からず臨んだが、それがあったから海外に挑戦できるチャンスをもらった」。大リーグのスカウトの目に留まり、日本のプロ野球を経由せず09年から夢に挑む後押しとなった思い出深い大会だ。
今回、求められる役割は違う。レッドソックス時代の13年に救援投手としてワールドシリーズ制覇に貢献するなど、大リーグ3球団で通算388試合に登板。20年途中に独立リーグのBCリーグ埼玉で日本球界に復帰し、台湾やメキシコでもプレーした。経験豊富な右腕に、日本代表の石井章夫監督からは「(他の選手に)いろいろ教えてあげてほしい」と伝えられているという。
実際、質問をぶつけてくる選手が多く、調整法やフォークボールの握り方などさまざまなことを教えた。「監督、コーチの邪魔にならない程度に、できるアドバイスはしたいと思う」。戦力としても任された役割を全うするつもりで、「一球一球、捕手の構えたところに全力で投げ込んでいくことは変わらない。その結果、チームに貢献できれば」と意欲を示した。