核軍縮・安保理改革訴え 岸田首相、国連総会へ19日出発
2023年09月16日07時11分
岸田文雄首相は国連総会に出席するため、19日に米ニューヨークへ出発する。一般討論演説で、ライフワークとする「核兵器のない世界」実現や、常任理事国ロシアのウクライナ侵攻で機能不全が指摘される安全保障理事会の改革を訴える見通しだ。ウクライナ情勢に関する安保理首脳級会合にも出席する。
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首相は滞在中、高濃縮ウランやプルトニウムを対象とする核兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)に関するハイレベル行事を主催。5月の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)でまとめた核戦力データの透明化を訴える「広島ビジョン」も踏まえ、核軍縮に向けた機運を醸成したい考えだ。
このほか、新型コロナウイルス禍を受けた国際保健、持続可能な開発目標(SDGs)をテーマとする会合に参加。ウクライナのゼレンスキー大統領との会談も調整している。22日に帰国する。
松野博一官房長官は15日の記者会見で、「国際社会が複合的な危機に直面する中、安保理改革を含め国連の機能強化の重要性を強調する」と説明。首相演説に関し、「分断や対立ではなく協調の世界を目指し、人間中心の国際協力を提唱する」と語った。
国連総会の関連会合には上川陽子外相も出席する。13日の就任後、外遊は初めて。18日(日本時間19日)にG7外相会合を開催し、議長を務める。