武富士事件参考にガソリン使用 直前ためらう「悪党にも良心」―京アニ事件で被告人質問・京都地裁
2023年09月14日19時02分
京都アニメーション第1スタジオが放火され36人が死亡、32人が重軽傷を負った事件で、殺人罪などに問われた青葉真司被告(45)の裁判員裁判第6回公判が14日、京都地裁(増田啓祐裁判長)であり、被告人質問が行われた。青葉被告はガソリンを使った理由について、2001年に青森県弘前市で起きた消費者金融「武富士」の放火殺人事件などを参考にしたと説明。従業員が多く、「大量の人が死ぬと思った」ことから第1スタジオを狙ったと明らかにした。
青葉被告は検察側の被告人質問で、現場に刃物6本を持参した理由を問われると「ガソリンをまいた後に襲われたり、止めに入られたりするのを想定した」と話した。秋葉原無差別殺傷事件の加藤智大元死刑囚への共感があったとし、「何をやってもうまくいかないところが他人ごととは思えなかった」と述べた。
現場付近の路地でガソリンを携行缶からバケツに移し替えたが、直前になって放火をためらったとした。「自分のような悪党にも良心はある。良心の呵責(かしゃく)があった」とし、悪いことだという自覚があったと認めた。
一方、弁護側の被告人質問では、京アニを狙った理由を「原稿を落とされたり、内容をぱくられ(盗作され)たりして、根に持つ部分が一番大きかった」と述べた。京アニ大賞に自作の小説が落選したことが「かなり大きなきっかけというか、転機になった」と話した。