モロッコ中部でM6.8、1000人超死亡 観光地南西の山あい、捜索難航か
2023年09月09日22時47分
【カイロ時事】米地質調査所(USGS)によると、北アフリカのモロッコ中部で8日深夜(日本時間9日朝)、マグニチュード(M)6.8の地震が発生した。モロッコの国営メディアが9日、内務省の発表として伝えたところでは、少なくとも1037人が死亡、1200人以上が負傷した。
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震源は、観光地マラケシュから南西に約72キロ離れたアトラス山脈で、深さは18.5キロ。モロッコのメディアによれば、国立地球物理学研究所のナセル・ジャブール所長は「この100年で最も強い地震だ」と語った。被害が大きいとみられる地域は山間部のため、捜索は容易でなく、死傷者が増える可能性がある。日本政府関係者によれば、邦人の被害情報は入っていない。
震源地に近い集落アスニに住むモンタシル・イトリさんはロイター通信に対し、ほとんどの建物に被害が出たと説明。「隣人ががれきの下敷きになっている。あらゆる手段を使って救出に取り組んでいる」と語った。
旧市街が世界遺産に登録されているマラケシュでも建物が倒壊した。ホテル従業員オサマさん(30)は時事通信の電話取材に、特に古い建物の損傷が激しいと指摘。これほどの地震は経験がなく、「人々は叫びながら逃げ惑い、恐ろしい瞬間だった」と振り返った。多くの人が路上で一夜を過ごしたという。