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出土銅鏡、103枚と判明 国内最多更新、大和政権の力示す―桜井茶臼山古墳・奈良

2023年09月09日13時33分

桜井茶臼山古墳から出土した銅鏡の破片=7日午後、奈良県橿原市

桜井茶臼山古墳から出土した銅鏡の破片=7日午後、奈良県橿原市

  • 桜井茶臼山古墳から出土した銅鏡の破片(奈良県立橿原考古学研究所提供)

 奈良県立橿原考古学研究所は9日までに、初期大和政権を率いた大王の墓とされる「桜井茶臼山古墳」(同県桜井市)で少なくとも103枚の銅鏡が副葬されていたと発表した。これまでは同古墳の81枚が国内最多と考えられていたが、出土していた銅鏡の破片を詳細に調査した結果、最多を更新した。

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 他の古墳で出土した銅鏡は40枚が最多で、初期大和政権の大王の権力の大きさが改めて示された。同研究所の岡林孝作学芸アドバイザーは「桁違いの副葬鏡群だ。各地の豪族の上に立つ弱い王権という一般的なイメージとは少し異なるのではないか」と指摘した上で、「古墳時代前期の王権の実態に近づく重要な研究成果が出せたのでは」と話した。
 同研究所は2010年、出土した破片385点について13種類81枚の銅鏡の一部と発表。今回、3次元計測や国内外の銅鏡と比較するなどして調査を進めた結果、14種類103枚以上の銅鏡があったことが分かったという。
 103枚の内訳は、邪馬台国の女王・卑弥呼が中国から授かったとの説がある「三角縁神獣鏡」が26枚、中国製が56枚、日本製が21枚。今後の分析次第では、さらに増える可能性がある。
 桜井茶臼山古墳は、全長204メートルの前方後円墳で、3世紀末頃に造られたとされる国史跡。被葬者は不明だが、過去の調査で石室内が赤い顔料で塗られていたことなども分かっており、初期大和政権で大王だった人物が埋葬されていると考えられている。

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